生演奏が最高とも限らない

しばらくぶりです。オーディオファイルの立場からライブが命という方々に一言申し上げたいんです。ライブが命、生演奏最高という方に。先日定期的にライブ活動されているロックボーカリストの方と議論していて意見の相違がありました。音楽に携わっているからといって安易に生演奏こそが真の音楽体験と疑いもなく断言する方が多いのが気になります。このような方は歌手や楽器演奏者の中に大勢いますがオーディオというものに対する認識がとても低い。録音物、または打ち込みのシンセサイザやサンプリングを多用する電子音楽やスタジオで多重録音した音楽作品と生演奏を比較して生演奏には敵わないと。私は質の悪い生演奏などは聴くに値しないと考えます。歴史的名盤を高次元でバランスされたオーディオシステムで再生した場合などはライブでは得られない感動的なケースが多々あるということ。確かに素晴らしいライブ体験をして感動すると、普段スマホのイヤホンでしか音楽を聴かないような方々にすればライブハウスで目の当たりにする生演奏がイヤホンやミニコンボ等のオーディオ装置で聴くCDより容易に感動的なものに聴こえるのは当たり前です。クラシックの音楽会などでは100パーセントアコースティックな本物の音色を聴くことができる訳ですが、ロックなど電子楽器を多用する音楽は生演奏と言っても結局は電気を通したPAの音を聴いてる訳ですから。マイクで拾ってアンプで増幅してスピーカーで再生された音ですよ。歪も多いし、リスニング場所によって特性も大幅に変わりますし。私のようなオーディオファイルが聴きたい音は迫力とかデカイ音ではなくいい音なんです!ここまでは音質の問題について述べましたが、演奏についてはまたの機会に。